SPI REPORT
過去の3回の記事で、マーケティング・コミュニケーションの戦略要素を5W2Hとして、
について、ご説明してきました。
今回からは「発散から収束」への流れとして、アイデア創出と、それらをどのように評価してまとめていくかというプロセスについてご説明します。
これまでにご紹介したフォーマット類にインプットする前提条件として行う様々な分析や検証の過程、および過去の経験や常識から、アイデアの「きっかけ」となる膨大な情報や知見が入手できるはずです。
5W2Hのカテゴリーに合わせて、簡単に考えてみます(あくまで一例)。
これらからもたらされる答えは、情報/知見ベースでのFactであって、まだ発散されたアイデアではありません。おそらく多くのキーワードがピックアップできると思います。ここでは最終的に戦略に繋がるか否かは不明でも、躊躇なく列挙していくことをお奨めします。
アイデア発想にはさまざまな方法がありますが、ここでは簡単な連想法を使って5W2Hの各要素の可能性を広げる作業を行います。
連想ワードはその後に再分類を行うので、当該5W2Hカテゴリーにとらわれる必要はありません。またこれまでの経験上、二次連想程度までで充分な数が確保できると思います。もちろん作業の特性上、複数人数で同時に行うことも効果的です。
例えば「アルコール飲料」のWhenを考えてみます(下図)。キーワードを出発点として、二次連想まで行うことによって、予想もしていなかった言葉が出てきます。これらはすべて「コミュニケーションの中で、使用できる可能性のあるコンセプト/要素」ということができます。
下は単語ベースで記載してありますが、文章になっていても問題はありません。
このアウトプットは最終的な実施案策定に際しても、クリエイターやメディアプランナーの発想を刺激する材料となりうるので、記録・管理すると良いでしょう。
上に述べたように、連想ワードは5W2Hに再カテゴライズします。キーワードとして抽出された項目を中心に無数の5W2Hシナリオができるはずです。
ここで重要なことは、『コミュニケーションの5W2Hはひとつとは限らない』ということです。これは複数に渡る目的性や、ターゲットセグメント、メディアや機会などからも当然といえます。ただし、その中でもビジネス目標達成のためのメインシナリオは設定できるはずです。
そのメインシナリオをどのように発見・評価していくかのSPIにおけるプロセスが“Message Scope”です。
この思考/意思決定フレームにより、Consumer(消費者)、Company(自ブランド)、Competitor(競合ブランド)の“3C”の観点を踏まえつつ、創造された5W2Hシナリオを収束し、実施にむけて方向付けていくことが可能となります。
特にここからは、「何を」「どのように」コミュニケーションしていくか、という部分が明確になってきます。
アイデアの発散と収束は、Symphonyプロセスが標榜する「右脳と左脳のバランス活用」に他なりません。これらは実際の状況に応じて柔軟に適用してまいります。SPIは一連のプロセスをファシリテートし、クライアントの皆様と共同で創造的で論理的な戦略立案のお手伝いをいたします。
次回では、このSymphonyプロセスにおける最終アウトプットのイメージをご説明したいと思います。
文責:小澤 啓一/ディレクター
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