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エスピーアイ独自調査レポート:「新興国シリーズ【第二回】【特別版】シンガポール」

*CCSとは:
・SPI所属Aegis group独自調査、世界各国で実施
・CCS2011=シンガポールはエリア別調査/約2500サンプル

 CCSのご紹介はこちらからご覧になれます
 → http://www.spi-consultants.com/ja/spi_index/pdf/ccs.pdf

【2013年8月分析】
「新興国シリーズ【第二回】【特別版】シンガポール(新興工業経済地域)」

前回のレポートでは、新興国シリーズ第一弾として、インドネシアのデモグラとメディア接触量、携帯電話の保有率等について調べました。 第二回目となる今回は特別版として、新興国ではなく、「新興工業経済地域(NIES)」の一つであり、世界のIT産業をリードするシンガポールを取り上げたいと思います。

1, 性年齢別分布(回答者sampleの構成)
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女性が男性よりも若年層(10代~20代)が多く、反対に30代以降は男性が女性を上回っています。

2,世帯&居住構成
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上のグラフは現在居住している建物のタイプの割合を表したものです。 最も多いのは団地住宅(HDBと呼ばれる住宅)で、4部屋あるタイプです。 このタイプの住宅に住んでいる人が全体のほぼ3割以上を占めています。 次に多いのが5部屋以上ある団地住宅で、こちらは2割以上を占めています。

次に、1世帯あたりの家族構成です。

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パートナーまたは配偶者と同居している世帯が最も多く、約45%を占めています。 また全体の約42%が両親と、そして約36%が18歳以下の子供または兄弟と同居していることが分かりました。 このように二世代以上での同居が多い中、一人暮らしをしているという人は全体の10%にも満たない、6%でした。
では次に婚姻状況を見てみましょう。

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独身女性が独身男性を8%上回って多く、反対に既婚男性は、子供の有無にかかわらず既婚女性よりも9%多い結果となりました。全体的には独身で未婚状態の人よりも、既婚状態あるいは恋人との同居をしている人が多いようです。 また離婚状態にある人は非常に少なく、子供の有無合わせて4%ほどでした。

3, 就労状況

そして、次に男女別の就労状況です。

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男性のほうが女性に比べるとフルタイム労働者が多く、約16%上回り、男性の中でも8割を占めています。 女性の方が、学生、パートタイムの割合がやや多くはありますが、それでも全体の6割以上がフルタイム労働者となっています。
以下は、男女別の業種top5です。

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アジアのIT産業をリードするシンガポールならではの職業ランキングと言えるでしょう。 男女共に5位以内(男性は1位)にIT/コンピュータ/ソフトウェア開発がランクインしています。また、教育関連に従事している男女も多く(女性は1位)、次世代を担う若者たちの育成 に力を入れているのでしょう。

4, 購入活動

以下は支出に関する個人的意識です。

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上記グラフは個人に聞いた、現在の経済的状況です。 全体の約3割が食料品や日用品などの日常的な買い物には問題がないが、必要不可欠な出費に関してはシビアな状況です。 一方で、これと同じぐらいの割合を占めているのが「大型家電の購入や旅行をする余裕がある」が「新しい車を買うには貯金もしくは借金(ローン)が必要である」という人々です。 また、16%の人は「借金やローンを組まなくても新しい車を買う余裕がある」と回答し、経済的に非常に豊かな側面も部分的には垣間見える結果となりました。

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上記はシンガポールの人々が主に使用するクレジットカードの銘柄です。 圧倒的にシティバンクが優勢で、次にPOSB(シンガポール最大の銀行であり、デビットカードとクレジットカード両機能を備えた若者向けのカード)、UOB(United Overseas Bankシンガポールを本社拠点とし、東南アジア全域にある銀行)となり、日本人には耳慣れない名前が2位、3位を占めています。

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次に、シンガポールの人々は一人につき何枚のカードを所有しているのか、という点ですが上記グラフをみると1~2枚を所有している人が最も多いということが分かります。 中には6枚以上と、非常に多くのカードを所有している人々も13%いることが分かりました。

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次に、これらのカードで毎月どのくらい購買活動をしているのか、という点ですが、男女別・請求金額別で見たのが上記のグラフです。 女性(赤線)は山が2つに分かれており、$201~$300層(約15,500~23,200円)※と、$751~$1,000層(約58,100~77,400円)※がそれぞれグラフの頂点を作っています。 男性は女性に対し山がなだらかですが、金額が高くなるにつれ女性よりも人数が多くなっています。最も多いのは$751~$1,000層ですが、それ以降、女性を大きく上回って、$1,000以上の大きい購買活動が目立ちます。
※8/14現在の外国為替レート換算による目安の数字です。

5, メディア接触状況

次に、TV、ラジオ、雑誌、新聞、インターネット、SNSそれぞれの接触時間を見てみましょう。1週間合計の時間となっています。

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IT産業をリードする国だけあって、インターネットの接触量がダントツで1位です。一日に平均5時間以上、インターネットに接触していることになります。 また、TVやラジオ、雑誌などの他の主要メディアと並んでSNSの接触時間も週に平均15時間(一日に平均2.1時間以上)となっています。
下記のランキングは、これらのインターネット、SNSを利用する際にどんな目的をもっているかを調査したものです。

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PCに向かってインターネットをする際は、何らかの情報を探す、あるいは学習目的が最も多く、6割以上を占めています。 また他にも「価格を調べるため」「学びを得るため」など、ある程度明確な意思をもって、能動的にインターネットを利用していることが分かります。 それに対して携帯電話からインターネットを利用する際の目的は、「一人の時の話し相手として」「時間を潰すため」など、明確な目的ではなく、かつ比較的受動的な態度が覗えます。

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SNSを利用する目的の1位は「最新のニュース/情報/ゴシップをチェックするため」となっていることから、シンガポールの人々にとって、今やSNSは重要な情報源の一つになっていると考えられます。

6, ライフスタイルに関する価値観

最後に、ライフスタイルについての価値観を見ていきましょう。 「家族が何よりも大事だ」という絆を大事にする温かい国民性が1位になったのに加えて、「チャンスが来たときにはつかむべきだ」や 「宣伝・広告は市場に出回っている商品を知るうえで役に立つ」「自分の周りの世界を探検するのが好きだ」など、シンガポールの人々の野心的かつ、 知的好奇心旺盛な側面がみえる結果となりました。

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いかがでしたでしょうか?
今回は新興国シリーズ第2回目の特別版でしたが、新興国とは違う、新興工業経済地域であるシンガポールならではの特色に多くスポットを当ててまいりました。 このようにCCSでは、多様な観点からその国ならではの特色を収集し、ニーズに合わせ質問項目を細かく掘り下げていくことが可能です。
次回は、2013年度後半の広告宣伝活動を占う上で非常に重要となる「スポットCM平均単価=SPIIndex-basecost」の中期予測、の結果をレポートする予定です。

文責:渡辺あゆみ(PR主任)&小久江士郎(シニアコンサルタント)

より詳細な情報をお求めの方は、spiindex@spi-consultants.netまでご連絡下さい。

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