SPI NEWS

2018年11月号:エスピーアイ独自消費者調査データベース
“SCS”による日本におけるメディアハビット分析:第五弾
「SNS詳細分析、アカウント・フォロワー数・SNSでの行動」

いつも「エスピーアイニュース」をお読み頂きまして誠にありがとうございます。

企業のマーケティング・広告宣伝活動における費用/価格/投資対効果についての、測定/ベンチマーキング/透明化/最適化、を使命とする株式会社エスピーアイは、独自に保有する「SCS(エスピーアイ・コンシューマー・サーベイ)」を活用し、日本における最新のメディアハビット分析を行い、その結果の一部を公表しています。

*SCSについては、2018年4月号「エスピーアイ独自消費者調査データベース“SCS”による日本におけるメディアハビット分析:第一弾「最新のメディア媒体別接触状況」、にて概要説明がありますので御参照下さい。

http://www.spi-consultants.com/ja/spi_index/201804.html

今回は第五弾として、「SNS詳細分析、アカウント数・フォロワー数・SNSでの行動」結果を公表します。

なお、①絶対値、②affinity(各ターゲットの注目度÷調査対象全体の注目度、つまり“各ターゲットだからこその活用アイテム=ターゲットと親和性の高いアイテム”)、の2軸で分析を実施しています。

(1)保有アカウント率(account ownership%)、最もアクセスするアカウント(most access%)、use%(最もアクセスするアカウント÷保有アカウント)

1、全合計

保有アカウントは、LINEがトップで50%以上、Twitter・Facebookが33%前後で2・3位。
最もアクセスするアカウントは、LINEがトップ、Twitterが2位、Facebookが3位。
Use%は、LINEがトップ、Twitterが2位、Facebookが3位、となりました。

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2、性年齢別affinity

こちらは、保有アカウント率(account ownership%)、にて分析を実施しました。
ターゲット毎に大きく特徴が出ます。
TeenはTwitter・Google+・LINE・WhatsApp・Snapchat・Tumblr、で1位。
F1は、Instagram・Pinterest・mixi・Facebookで1位。
M3は、全体的に低いものの、LinkedInでは1位となり、高レベル人材ヘッドハンティング用ツールとしてのLinkedIn活用を裏付けるものと考えられます。
なお、LinkedInは、M1がM3に続き僅差で2位、でした。

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(2)SNS、フォロワー数

1、フォロワー数区分

調査が、1-5人・6-10人・11-25人・26-50人・51-100人・101-200人・201-500人・501人以上、という区切りで実施された為、その区切りでの分析結果です。
Google+、Pinterest、Tumblr、は、比較的フォロワー数が少数の場合が多い、という事が解ります。

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2、推定フォロワー数

前項調査結果を基に、各回答項目の人数の中間値を「推定フォロワー数」として、各SNSアカウントの推定フォロワー数の平均、を、算出しました。

Twitterが105人でトップ、WhatsAppが83人で2位、Facebookが76人で3位、でした。
TwitterとFacebookについては、1 to 1のツールというより、お手軽な1 to allへのツール、が、フォロワー数も多い、という事だと考えられます。LINEは、1 to 1ツールであるという意味合いが強いので、アカウント数や使用頻度は圧倒的上位ですが、フォロワー数では上位に来なかった、という事でしょう。

WhatsAppは、保有アカウント率(account ownership%)が0.8%、最もアクセスするアカウント(most access%)が0.1%と、そもそものユーザー数が少ないので、使っている人はとても活用してフォロワーも多い、という事かもしれません。

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(3)SNSでの行動

SNSでの行動、各アカウントでの行動率シェア%(各行動率%÷各行動率の合計%)

純粋な行動率%にすると、利用率の高いSNSに全体が引っ張られて、SNS自体の特徴が見えなくなってしまいます。

そこで、各アカウントでの行動率シェア%(各行動率%÷各行動率の合計%)、として、各SNSでの行動の特徴を可視化しましたが、こうすると各SNSの特徴が極めて良く解ります。

LINEは、「メッセージを送る・メッセンジャーでチャットをする」という2つが圧倒的で、「ゲームをする」がGoogle+に次いで2位ではありますが、これは完全な1 to 1ツールで、メールの代替物と言って良いでしょう。そうすると、今各企業はLINEでのコミュニケーションに頭を悩ませていますが、これはもはやマスメディア等と呼べるものでは全く無い、という大前提から物事を考える必要があります。

一方、Instagramは、写真の投稿・動画の投稿・有名人のファンになる・インターネットのメッセージや活動にハッシュタグ(#)をつける、といった“投稿&人ベースの興味・情報収集”ツールだという事が解ります。商品やキャンペーンそのもの、というよりは、例えば有名人を介したキャンペーンや商品訴求に適している、と言えるのではないでしょうか。

LinkedIn、は、前段でも述べたように、やはりここでも「仕事のパートナーを探す・仕事や求人を探す」項目でトップになっています。

このように、SNSを活用するには、単に「利用率」で見るのでは無くて、その特徴や使われ方をしっかり把握した上で活用しないと、完全的外れになってしまう、というのが良く解ります。

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このように、単純に性年齢別に区切っても、かなりの事実が判明します。SNSをメディアとして有効に活用する、もっと言えば「SNSをメディアとして活用して良いのか?」判断する為には、そしてSNSによるコミュニケーションを丁寧に行う為には、このような情報をベースに実施する事が欠かせません。

SNSは、メディアのようで、メディアではありません。むしろ、広報・お客様相談室・企業の展示場や、店舗のような存在ではないでしょうか。それを、あたかもweb/digital上にあって広告を出せるからと言って、安易にメディア=媒体として捉えて、メディアプランの中に他広告媒体・通常のweb/digital広告と同列にしてプランし語るのは、単純に“オカシイ”事ではないでしょうか。

広告メディアに関するこういった調査は、単純な媒体選択やコミュニケーション戦略だけで無くて、そもそもの考え方やモノの定義を再確認する、といった意味でも活用できます。

単純なデータ、という事では無くて、そこから見出せるものは何か、という所を常に意識しつつ、こういったデータを基に、マーケティング・コミュニケーションを最適化していきたいものです。

詳細に御興味のある方はお問い合わせ下さい。

文責:大山紀子(広報担当/アシスタントアナリスト)、渡辺あゆみ(シニアアナリスト)、小久江士郎(シニアコンサルタント)

より詳細な情報をお求めの方は、spiindex@spi-consultants.netまでご連絡下さい。

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